
1歳3ヶ月差の長女と双子を育ててこられたKさんへのインタビュー。ついに最終回です。
(〈その1:妊娠〜産後〉〈その2:1歳まで〉も、ぜひお読みください。)
――双子の発育の違いはありましたか?
次女は寝返りとかも早めでしたけど、三女は遅くて、かんしゃくもひどくて心配でした。
おばあちゃんに聞いたら「まぁ大丈夫ちゃう?しばらく様子見たら」と軽い感じで言われたので「そんなもんかな」と思えました。
――不安な気持ちを話せてよかったですね。
一人で悶々と悩むよりも、ちょっとしたことを話せる人がいるだけで全然違うし、じゃあ「こう考えてみよう」とかいうこともできますね。
―― 2〜3歳はイヤイヤ期と呼ばれる時期ですけど、それぞれの個性が出てきて大変だったのでは?
三女は主張が強くてよく泣く子で、次女は自分を抑えてゆずることが多かったです。三女にかかりっきりになっちゃってました。我慢している次女のことを気にかけながらもうまくできなくて…難しかったです。次女には「ありがとう」という感じになっていたかも(笑)
三女は場所見知り・人見知りもあって私から離れられず孤立しがちだったので、主人やおばあちゃんの関わり方が違ってきてしまったんです。みんな一緒にしてくれないのかなっていう気持ちはありました。
――母としては切ないよね。大人ってどうしても聞き分けの良い子を可愛がりがちで、主張の強い子は苦手としてしまう。関わりに差が出てきてしまうことってありますよね。葛藤がありましたよね。
――このころ、外に出てみようというお気持ちになられたのかな。
長女が大きくなってきたし、お友達ともふれ合わせたいと思ったんです。
親子教室に行くようになって、そこでできたお友達と親子でふれ合うこともできたし、他のママたちといろんな話ができたので、そこからだいぶ外に出ようっていう気になって。変われましたね。
――これまでの子育てを振り返ってみていかがですか?
1歳まではほぼ覚えていないぐらいで。楽しかったかと言われると、いっぱいいっぱいで楽しいとは言い切れないけれど。今いろいろ考えてみると、すごい人に助けてもらってたなと。それだけやっぱり人には助けって必要なので、本当に感謝やなってすごい思います。大きくならせてもらったという感じがします。
――一生懸命、日々頑張って向き合ってこられたからですね。
双子は小学生になった今も性格は真逆だし、ケンカばっかりしているけど、楽しくやっているときもあるからそれはそれでいいかな。ようやくゆっくり3人を見れるというか、「こんなことすんのや」「こんなこと言うんや」って、ほほえましいと感じることができるようになったと思います。
――それって心に余裕があるからですよね
心の余裕が無かったら感じ方、とらえ方も変わってくるので。やっぱり余裕は大事ですね。
大変なとき誰かひとり話し相手がいたらってすごい思うので。いてくれてよかったです。
お話をうかがってきて、「ここまでの孤独感なんだ」と。産んでみて初めて分かるもの、経験した人にしかわからないつらさがあると感じました。少しでもみなさんと共有できればと記事にさせていただきました。しんどかった当時を振り返るというつらい作業にも関わらずご協力いただいたKさんに、心から感謝を申し上げます。
双子に限らず、初めての育児やきょうだい育てに直面したときの困難さは、誰にとっても共感できるものですね。
つらさは人と比べるものじゃないから。
「人を頼ることは甘えなんかじゃない」「人に助けてもらっていいんだよ」というメッセージを、これからも伝え続けていきたいと思います。
(当ページのイラストはNPO法人つなげる さんの『多胎支援フリーイラスト素材』『ベビーカープレート』 を利用させていただいております。)
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