〈双子ママの体験談 その2〉過酷さが増す4ヶ月〜1歳ごろまで

お姉ちゃんと双子の3姉妹を育てるKさんへのインタビュー。出産から産後の生活をうかがった前回に続き、生後4ヶ月頃から1歳までのお話を聞きます。

夜泣きで睡眠と体力を奪われ、心が追いつめられていった

――4ヶ月ごろからはどんな感じでしたか?

一番下の子の夜泣きがすごくひどくて、泣くたびにミルクをあげたり、主人が寝ているから1階に降りて抱っこであやして寝かしつけたりしていました。
睡眠もとれないし体力が落ちるし、日中だけに限らずいっぱいいっぱいになっていることが多かったです。一人終わってももう一人が泣いて、ダブルであやさないといけなくて。その時期はあっという間に過ぎてました。

――ほんっとに24時間、身体も心も休まる時が無いですよね。
そして離乳食が始まりますね。

離乳食も大変で。夕方になってくるとお腹が空いたりして3人ともが泣き出すけれど、もう慌てることすらできない
たまたま来た主人の母がその惨状を見て「こら大変やな」と手伝いに来てくれるようになりました。助かりました
当時2才くらいの上の子も離乳食と同じようなメニューになってしまっていたので「どうなんだろう」と思いながらも食べさせていましたね。

――立ち止まる余裕が無いですものね。想像するだけで「いや〜大変!」と思ってしまいます。

とにかく「大きくさせないと」「育てないと」と、それだけでした。

――外出はどうされていましたか?

外出先で泣いたらどうしようっていうのがあって、対応できなくて慌てふためくことがわかっていたので、1歳ぐらいまでいっさいお出かけできなかったです。
買い物は、おあばちゃんが来てくれた時とか土日主人がいるときに行ったり、生協を利用したりしていました。

――お風呂もすごく大変でしたよね

湯船に長女と次女を入れておいて三女を洗っていたら、次女が溺れちゃってびっくりして三女を落としてしまってということがあって、危ないなと思って。保健師さんのすすめで行った「双子の交流会」で他のママさんに聞いた方法を実践してみたけど難しかったりして。
裸で部屋を移動していましたね。

――きっと常に緊張して気持ちが張っておられますよね

それと同時に主人にも腹が立ってくるし、おばあちゃんにすごく迷惑かけてるから、どうにかもうちょっと早く帰って手伝えないの?とか、イライラして荒げた言葉をぶつけてました。

――でも旦那さんに言えなかったらしんどいよね。その分をおじいちゃん・おばあちゃんがやってくださってたんですね。

3人同時に抱っこできなくて・・・「ごめんやで」

その頃ほんとにいっぱいいっぱいになっていて、上の子が下の子を叩いたりすることもあってそれを叱ったり…もう誰か手伝いに来てほしいし、誰かとしゃべらないと社会から孤立している気がして、子どもと自分だけっていうのがすごいいっぱいいっぱいになっちゃってました。

――そんな一番きついときに言われてしまったことが…

身近な人から「普通に5、6人育てている人をテレビで見たよ。(あなたも1人で育てて)いけるんちゃうん?」と言われたのが、ものすごくショックでした。
もしかしたらおばあちゃんに頼みすぎているから注意してくれたのかもしれない。頼んだらあかんのかな。人に頼ったらあかんのかなと思って、自分でやってくこととかいっぱい考えたけど…やっぱりすごくつらい。

「その人はその人。私はやっぱり無理だ、しんどい。」ってなりました。
主人にその気持ちをぶつけたら「気にせんでいい」「頼んだらいい」と言ってくれました。

――追いつめられますよね。状況を知っているはずの人から言われた言葉だからこそ。
それでなくとも十分頑張っている。けど、ひとりでは回りきらなくて、だから手伝ってほしいと思っているのに、、、

とことんまで限界きている上にそれを言われたので、きつかったですね。
3人泣いていても3人同時に抱っこはできないし、1人に手をかけてたらもう1人が泣いて泣いてそのまま寝てしまっていたりとか。すぐ抱っこしてあげたいけど無理やし「ごめんやで」って。誰かおってくれたらそっちまわれるのにって。

――申し訳ないっていう気持ち、自分を責めてしまう気持ちを持ってしまいますよね。心の中にはいつも「ごめんな」という思いを持って育ててこられたんですね。
けれどそんな中でも、楽しかったことも、ありますよね?

双子を横並びで寝かしているときに2人で何かむにゃむにゃ喋っているのを見たときとか、びっくりして大泣きしたときとか、3人でゲラゲラ笑いながら楽しそうにしているときとか。
他愛もないことに幸せを感じましたね。かわいかったです。


「だれか助けて」という悲鳴が聞こえてきそうな体験談でした。何度読み返しても涙が出てきてしまい、編集作業が大変でした。

思うように育ててあげられないもどかしさや自分を責めてしまう気持ちは、誰もが多かれ少なかれ感じていると思います。だからこそ周囲からは頑張っているママを温かく支える言葉をかけてほしいと思います。

おばあちゃんの助けを借りながら大変な時期を乗り切ったKさん親子。その後をお聞きした最終回はこちらからお読みください。

(当ページのイラストはNPO法人つなげる さんの『多胎支援フリーイラスト素材 』を利用させていただいております。)

〈双子ママの体験談 その3〉2〜3歳:発育や個性の違いが目立ってくる

〈双子ママの体験談 その1〉妊娠〜出産、産後の生活

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