育児と介護など、複数のケアを担う「ダブルケア」を知ってください

「ダブルケア」ってなんだろう?なにが問題で、どうすればいいんだろう?
ダブルケア東大阪さんにお話を聞いてまとめました。

ダブルケアが増えています

「ダブルケア」とは、育児と介護など、複数のケアを同時に担うことをいいます。

介護というと、 同居や近居での身体介助がまず思い浮かぶかもしれませんが、ダブルケアはもっと幅広く「ケア」をとらえています。
また、育児については、妊娠中思春期の子育ても含みます。
ケアの具体的な例がダブルケア東大阪さんのinstagram(@wcare_higashiosaka )に載っています(画像を横にスライドして御覧ください)

もしかしたら、あなた自身がダブルケアラーかもしれない。または身近に、ダブルケアをしている人が思い当たりませんか?

知って、気づいて、つながろう
「ダブルケア東大阪」活動開始

いま、ダブルケアを支援する団体が各地に増えており、企業や自治体の取り組みも始まっています。
東大阪でも、2022年よりダブルケア東大阪 さんが活動を始めました。代表の荒井さんも元ダブルケアラーです。今後は市内で気軽に集えるダブルケアカフェを開いたり、周知・啓発活動をしていかれるそうです。

ダブルケアカフェは、ダブルケアに関心のある人が気軽に集える場です。仲間とおしゃべりしたり、さまざまな情報収集ができます。つながることで、ケアをひとりで抱え込んでしまうことを防ぐことができます。
今まさにダブルケアをしている人はもちろん、 今後が気がかりなケアラー予備軍のみなさんや、 ケアを終えた方々も、育児や介護に関わるお仕事をされている方や学生さんも、ぜひ参加してください。

こんな事情を抱えているのは自分だけ?

「子育て支援センターなどの広場へ行くと、まわりはみんな幸せそうな親子に見えた。
親のことで困っている人なんていないように思えて、話題にはできなかった。」

ダブルケア東大阪代表の荒井さんは、新生児と末期がんの親をダブルケアされていたとき、こんな状況下にいるのは世の中で自分だけだと思い込んでいたそうです。

介護をしていると、 自分や子どものために外出する機会を作りにくく、身近に子育て仲間を作りにくい状況があります。
一方で、病院や介護施設へ子連れで行くと、肩身の狭い思いをすることもあります。
さらに、当事者の半数以上は働きながらダブルケアをしています。(参照:平成28年内閣府調査

どちらか一方を優先しないといけない事が多く、 一方を犠牲にしてしまっているかもしれないという罪悪感を抱えてしまうなど、時間にも心にも余裕がない中で、子育てと介護との両立を一緒に考えてくれる先を見つけることは難しく、孤立感を深めてしまいがちです。

あの人もこの人も、ダブルケアラーかも

いろいろな人と話をしてみれば、ダブルケアを経験した人は意外と多いことが分かります。
「自分の苦労話なんて他人に聞かせるものじゃないし、引かれるかも」と話題にしないだけで、きっかけさえあれば介護ネタで盛り上がるかもしれません。

普段から、「ちょっと実家が大変になりそう」「 困ったら頼るかも」「しんどいときは愚痴を聞いてね」なんて気軽に話せる関係を築いておけると理想的です。
身近な人や、医療・介護・子育てのサービス、そしてダブルケア東大阪さんなど、頼れるところをたくさん見つけておきましょう。

今は支援が必要なくても

ダブルケアは突然始まることがあります。がん罹患率は女性は40代後半、男性は60代後半から増えますし、脳卒中により介護が必要となる方もいます。
20〜30代の若い世代も、親や配偶者の病気や事故によって思ってもみないうちに介護が始まるリスクがあることを知っておいてほしいです。

ダブルケアの当事者には、「まだ大丈夫」「家族を世話するのはあたり前のこと」「人に頼るほどのことじゃない」と頑張る方が多いのですが、中には自分でも気がつかないうちに無理を重ね、行き詰まってしまったり、ケアする人自身が倒れてしまうことがあります。
介護が終わったあとも、人知れず、何年も後悔を引きずってしまったり、家族への負い目や喪失感に苦しむかもしれません。

ケアの最中も、終わったあとも、気持ちを吐き出せる場があってほしいと思います。つらいときは「つらい」と言っていい。せいいっぱい頑張っている自分のことも、認めて大事にしてあげてください。

一緒に備えを考えよう

今後は団塊世代のほとんどが後期高齢者となり、祖父母世代をケアしながら子育てをする家庭はますます増えていくと予想されています。
ダブルケアへの備えについて、経験者に尋ねた調査があります。

備えとしてやっておいたほうが良かったことは?(複数回答)

「親族(両親や兄弟姉妹など)とダブルケアが起こった場合の負担・分担について話し合う」29.2%

「親が元気なうちに介護について話し合う」26.0%

「子育て・介護に関する経済的な準備をする(貯蓄・保険など)」23.0%

引用:【ダブルケアに関する調査2018 第8弾ダブルケア実態調査(ソニー生命連携調査)
https://www.sonylife.co.jp/company/news/30/nr_180718.html

この調査では、経済的な負担の大きさもわかります。親や子どもにかかる費用の平均負担額は毎月75,518円で、約半数の人が想定外の支出があると回答しています。
いざというときに利用できる支援や制度を確認するとともに、両立しやすい働き方を考えることも大切だと感じます。

備えがないまま介護が始まると、親族の中でも近くにいる人・時間を作りやすい人に負担が集中してしまいがちです。身体的・精神的そして経済的な負担をどう分散させるのかを、介護される人も含めみんなで考えることが必要です。
まずは知ることから、始めてみてください。

毎年2月は「ダブルケア月間」

全国の支援団体では、ダブルケアカフェなどの交流会や講演会の開催、情報発信やダブルケアハンドブックなど支援ツールの制作をしています。

ダブルケアをもっと多くの人に知ってもらおうと、有志の支援者たちにより2月2日は「ダブルケアの日」、2月は「ダブルケア月間」とされました。
会期中は、全国各地の団体が対面やオンラインによるイベントを開催します。ダブルケア月間実行委員会 のWEBサイトに参加団体の取り組みがまとめられています。

ダブルケア東大阪さんもパネル展や講演会を開催したり、twitter(@wcare_h_osaka)や instagram(@wcare_higashiosaka)で情報発信をされています。
家族や友人とイベントに参加したり話題にして、それぞれのケアを話し合うきっかけにしてくださいね。

育児と介護を同時に担う「ダブルケア」啓発イベントのお知らせ

Information

施設名称

ダブルケア東大阪

概要

【活動内容】
・ダブルケアの周知・啓発
・ダブルケアカフェなどの紹介
・市内のイベントへの参加
・ダブルケア月間に合わせたイベントや講演会の開催
・その他、タブルケアに関する相談に応じます

Web

https://ameblo.jp/wcare-higashiosaka/

メモ

現役ダブルケアラーさん、ダブルケア予備軍、ダブルケアに興味がある方などなどメンバー募集中!

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