「ホームスタート・ひこね」がクラウドファンディングを開始。東大阪からもエールを送ります!

滋賀県彦根市で活動する「ホームスタート・ひこね」が、7月31日(金)までクラウドファンディングによる寄付を募集しています。

「ホームスタート・ひこね」 は8年ほど前から活動を続けており、私たち「ホームスタート・東大阪」が発足するときからお世話になっている団体です。立ち上げや運営のノウハウから研修や交流会の開催など、たくさん助けていただいてきた方たちと、これからも一緒に活動を続けていきたい。東大阪からもエールを送ります!


ホームスタート・ひこね への寄付は、7月31日まで
社会問題と向き合う人のクラウドファンディング GoodMorning』で受付中です。

プロジェクト内容や支援方法はこちらからご覧ください。

今回のクラウドファンディングを始めた経緯などを、「ホームスタート・ひこね」を運営している認定NPO法人 ひこね育ちのネットワーク・ラポール の廣田さんにインタビューさせていただきました。
支援してくださる方々はもちろん、全国で子育て支援活動をされているみなさまにもその取り組みを知っていただき、それぞれの活動に活かしていただけたらうれしいです。

Interview

まず、彦根市ってどんなところですか?彦根城や「ひこにゃん」が有名ですよね。

わりとのんびりしています。市民活動が盛んで、地元に誇りを持っている方々が多い印象です。
子育てはしやすいと思います。大手企業の工場が多く、転勤で転入・転出される家庭も多いです。

東大阪とはずいぶん違う印象ですが、新しく引っ越してきた世帯と地域のつながりをどう作るかという課題は共通しているようです。

廣田さんは20年以上もさまざまな子育て支援の活動をされてきたそうですが、どうして「ホームスタート」を始めようと思ったのでしょうか。

 新聞でイギリスのホームスタートの記事を見たのがきっかけで興味を持ち、ホームスタート・ジャパン  の講演会を聞きに行きました。そこで「いつか彦根でもホームスタートをやります」と言ったのを覚えています。

見事に実現させましたね。

 我が子の子育てをしているとき、親子の絆が無いと感じる子たちがいたんです。この子たちが大人になったとき社会を担っていけるのだろうかと考えてぞっとしたのを覚えています。我が子の幸せを願うなら我が子だけでなく、よその子も一緒に育てないといけないと考えて子育て支援の活動を始めました。
 地域や学校で活動を続けるうち、やはり原点である家庭を支えないと子どもは育たないと思い、ホームスタートを始めました。
 寄り添って話を聴いてもらい、存在を認めてもらうことで、親が元気になれば、子どもも元気になります。ホームスタートの素晴らしさだと思います。

ホームスタートを始めるときに苦労したことはありますか?

 社会的信用を得るために最初からNPO法人の設立を目指しました。知人らに声をかけ、面倒なことは私がやるからとメンバーを集めました。
 活動を始めるための準備には1年ほどかけ、行政の方々に向けた勉強会を開いたりしました。ホームスタートをまったく知らなかった人たちが、勉強会の終わりのアンケートでは1/3が彦根にホームスタートが必要だと答えてくださり、手ごたえを感じました。

活動のための資金はどうされたのでしょうか。

 最初はキリン福祉財団の助成金で始めました。2回目の養成講座の時は応募した助成金が取れなかったんです。年に2回あるから次を待てばいいとも言われましたが、待っているうちに気持が萎えてしまうと思い、自腹でやりました。
 ビジター養成講座参加者の募集は、記者クラブに行って、新聞に載せてもらうために記者会見を開きました。記事を見て優秀な方たちが集まってくださり、活躍してくれています。

「お金も時間も使おうと決めた」という廣田さんの決意の固さを感じます。何より、行動力が素晴らしいですね。良い出会いもたくさんあったそうです。

 目立つことをするとネガティブな反応をする人もいるけれど、行動を起こせば、活動を知ってもらうことができます。
 ある人からは「世代をつなぐ活動だね」と言っていただきました。

その後はさまざまな助成金を活用したり、企業や個人の方からの寄付で運営をされてきたそうです。
「ホームスタート・東大阪」は東大阪市の委託事業として運営していますが、彦根市からの援助は無いのでしょうか。

 彦根市は財政が厳しくて、既存事業も削減される状況なので委託を受けることは難しいです。

今回のクラウドファンディングを始めたきっかけは何だったのでしょうか。

 今年の3月に、彦根市が開催したクラウドファンディングのワークショップに参加してみたんです。そこで1分間のプレゼンをして、参加者の7割から「いいね」をもらえたらクラウドファンディングの権利がもらえるとのことでした。
 ネットのこともよくわからないし学ぶ気持ちで参加したけど、サポーターの専門家の方に背中を押され、思い切ってプレゼンしたら「いいね」をいただけたんです。
 そのまま話は進み、4月にひな型を作り、5月中に完成。6月にクラウドファンディングがスタートしました。

緊急事態宣言でいろいろな動きがストップしてしまった時期に、新しい挑戦に向けて動いていたなんて、驚きです。

 プロジェクトページに掲載するために利用者さんやビジターさんにメッセージをお願いしましたが、改めて話を聞けて、うれしかったです。win-winの関係だなと。これまでの活動を振り返るきっかけにもなりました。それだけでも、やってよかったなと思います。

みなさんの応援メッセージ 、共感しながら拝見しました。孤独な子育てのつらさも、誰かの力になりたいという想いも、同じ想いを持つ人たちとつながる喜びも。子育てに限らないことだなと思いました。

 しが彦根新聞  が記事にしてくれて、さまざまな方からご連絡をいただけました。
 「高齢のために体を使ったボランティア活動はできないけれど」と寄付をしてくださった方もいました。口座振込で寄付したいという問い合わせもいただきました。やっぱりネットやクレジットカードは苦手な方も多いですよね。寄付先の口座情報を載せたチラシも作ったんですよ。(チラシPDF 1.1MB 

これまで知らなかった人からも応援してもらえるのはうれしいですね。

 子育て中の人だけではなく、みんなに「人を育てる」ことに関心を持ってもらいたいです。
 ファンになってもらえたらうれしいです。

10年近く活動を続けてきて、変化はありましたか?

 ホームスタートを利用するのが当たり前になったと感じます。誰でも無料で利用できるから、敷居が低いんですね。保健師さんからおすすめされて利用されるケースも増えています。
 ビジターさん同士も仲が良く、連絡を取り合ってお食事したりされていますよ。

活動中もお出かけ先で「ビジターさん」と言えば通じるくらい、ホームスタートが地域に定着しているという彦根。東大阪の目標です!
ちなみに無償ボランティアであるビジターさんは、仕事や介護などの理由で活動できなくなることもあります。そのため定期的に養成講座を開き、新しいビジターさんを育てる必要があります。

この数カ月、新型コロナウィルスの影響でホームスタートも訪問支援ができない状況が続いていました。彦根も東大阪も感染防止のためのルールを整え、訪問を再開しますが、利用者さんからもビジターさんからも、もし自分が感染を広げてしまったらと不安の声が聞かれます。
それでも、廣田さんは前向きです。

 自粛中、お散歩する家族連れをたくさん見かけました。子ども達がとてもうれしそうでした。手作りしたり家庭で過ごす時間が増え、身近な人との関係を見直すきっかけにもなったと感じます。
 Zoomなどを利用したオンラインのつきあいの良さも知りました。他の地域のホームスタートでは手紙やカードを贈ったらとても喜ばれたというお話も聞きました。アナログの良さを見直すきっかけにもなりましたね。
 小さな地域でつながり、みんなでガマンしながら、できる事をすればいい。そうしてマイナスの面をカバーしていけばいいと思います。

廣田さんに言われると、とてもシンプルに感じます。あれこれ悲観しなくていいのかなという気持ちになりました。

最後に、子育て支援をされる方々に向けてメッセージをいただきました。

 支援を押し付けると、相手が疲れてしまいます。
 余計なことはしないで、そばにいて、黙って話を聴いてくれるのがいいんです。みんな自分の話を聴いてほしがっているから。聴いてもらって、認めてもらえたって思えることが大事。
 そんなふうにおしゃべりしたりできる場をつくることが大切だと思います。

お話を伺っているうち、廣田さんの原点とも呼べる体験を思い出したそうです。

 社宅で子育てしていた時、近所の方が子どもを預かってくれたので、菓子折りを持ってお礼に行ったんです。そうしたら叱られました。
 その方がおっしゃるには、自分も若いときにそうやってお世話になったから、今その恩返しをしているのだと。「お礼なんていらないから、いつかあなたも若い人に同じことをしてあげて。」そんなことを言われました。思えばそれが今の活動につながっているのかな。
 ホームスタートのような支援のシステムが無くても、あたりまえに助け合える社会になってほしいですね。

こんな言葉も教わりました。

「ひとりの人が大きく成長するよりも、多くの人が一歩でも前に進んだほうが、世の中は変わる」

ひとりひとりのささやかな行動から、出会いが生まれ、輪が広がっていく。
今回のインタビューも些細なきっかけから実現しましたが、思いがけずたくさんの気付きがありました。何より、とても良い時間を過ごすことができ、インタビューの終わりにはみんな涙ぐんでしまいました。
この記事がより多くの人に想いを伝え、それぞれの行動につなげるための小さな一歩になれたらうれしいです。

「ホームスタート・ひこね」
クラウドファンディングは7月31日まで


「ホームスタート・ひこね」チラシ
クリックでチラシPDFをダウンロード(1.1MB)

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